*精油の化学*

 精油の化学は、試験範囲としては「精油学総論」に含まれますが、ちょっと長くなりましたので、こちらにまとめました。

 

 セラピストに化学なんて必要ないんじゃない?と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、精油に含まれる成分がどんな構造をしているのか、構造の違いによってどのような作用の違い出るのか、とういことはプロとして知っておくべきことです。もちろん、お客様から化学の質問をされることなど多分ありませんが、こういった”プロとしての知識”をそなえているかどうかでアロマの説明をする際にも説得力に違いが出ます。

 

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マンガなのでわかりやすいです。やっぱりまんがは頭に入りやすい。

化学の基礎から理解するにはもってこいです。



1 基本構造

 5つの炭素からなる「イソプレン」という構造単位からなる。炭素の先に水素がついている。そこに官能基がつくことにより、様々な科学的特性を持つことになる。
      
**官能基とは**
 2つ以上の原子で構成される分子の一部で、分子自体に異なる特性を与える。分子に強い極性や反応性を持たせ、構造上の転移をしやすくする。
 精油の官能基は酸素原子と水素原子の様々な組み合わせからなり、基礎的なテルペノイド骨格についている。官能基は分子に著しい特性を与えるので、官能基ごとにグループを分けることが出来る。


2 テルペン類
 語尾に「ーエン」がつく。油には溶けるが水には溶けない。


○モノテルペン
 最も揮発性が高く、香りの中では「トップノート」。時間の経過とともに空気中の酸素と結合し、過酸化物を産生する。→しっかりと栓をして保存することが大切
 リモネン、β-ピネン、α-ピネン、ミルセンなど。


○セスキテルペン
 「セスキ」とはラテン語で「1.5」の意味。モノテルペンほど揮発性は高くなく、香りの中では「ミドルノート」から「ベースノート」。
 β-カリオフィレン、カマズレン、β-ファルネセンなど。


3 アルコール類
 炭素原子の1つに水酸基(-OH基)がついている。酸素原子は片方がテルペノイド骨格の炭素原子と結合し、もう片方は水素原子と結合している。語尾が「ーオール」で終わる。名前の他の部分は親であるモノテルペンに由来する。
 水酸基(-OH基)と結合した炭素原子に他の炭素原子が、
  1つ結合したもの→第1級アルコール(酸化するとアルデヒドに変化)
  2つ結合したもの→第2級アルコール(酸化するとケトンに変化)
  3つ結合したもの→第3級アルコール(酸化しない)

 

○モノテルペノール
 リナロール、テルピネン-4-オール、メントール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロールなど。


○セスキテルペノール
 サンタロール、パチュロール、α-ビサボロール、ベチベロール、ネロリドールなど。


4 アルデヒド類
 少なくとも1個の水素原子が結合したカルボニル基 (-CHO-)(炭素原子に二重結合した酸素原子) が炭素鎖末端の原子に結合している。アルデヒドは第1級アルコールが酸化したもの。
 「クミンアルデヒド」のように語尾に「アルデヒド」をつけたり、「クミナール」のように語尾に「アール」をつける。シトロネラールは第1級アルコールのシトロネロールに由来する。
 ゲラニアール、ネラールなど。

 


5 フェノール類
 芳香環あるいはベンゼン環についた水酸基(-OH基)を有していて、これによりアルコールと区別される。ベンゼン環は6個の炭素原子で出来た六角形の環で、それぞれの炭素原子の結合は、すべて同等で中央に円を書く形で表される。
 チモールカルバクロールオイゲノールチャビコールの4つを覚えておけばよい。

 


6 ケトン類
 カルボニル基を分子内に持つ化合物で、カルボニル基にこの炭素水素基が結合しているものをケトンという。
 カンファーのように一般名で知られるか、語尾に「-オン」がつき、メントールからメントン、といったように元となる第2級アルコールに由来する。
 ツヨン、ベルベノン、ヌートカトン、イソメントンなど。

 


7 オキサイド類
 酸素原子が環を作る構造に含まれる時に作られる。通常、アルコールに由来するので、アルコールの名前を残して語尾に「オキサイド」をつけて命名することが多いが、独自の名前がついているものもある。(1,8-シネオール)
 ローズオキサイド、 1,8-シネオールなど。

 


8 エステル類
 アルコールカルボン酸からなる鎖状骨格を持つ化合物。アルコールと酸から作られるので、元となる両方の分子にちなんで命名される。
リナロール+酢酸=酢酸リナリル(リナリルアセテート)

 


9 ラクトン類
 閉じた環の一部となる酸素原子のとなりに常にC=O結合を有している環状のエステル。ラクトン類は化学名が長過ぎるので、通常一般名で呼ばれている。