*アロマテラピーのメカニズム*

【嗅覚の伝達経路】
 精油分子 → 嗅上皮の粘膜 → 嗅毛 → 嗅細胞 → 嗅神経 

 

 → 嗅球 → 嗅索 → 大脳辺縁系 → 大脳皮質(嗅覚野)


  ※この順序は丸暗記!
   インストラクター試験で出題頻度の高い重要項目です!

 

【脳の仕組み】

 脳は中枢神経系に分類されます。(⇔末梢神経系)
 脳の構造・・・大きくわけて、大脳、脳幹、小脳の3つ

 

○大脳=左右2つの半球に分けられており、脳梁でつながっている。
 厚さ2〜3mmの皮質(灰白質)髄質(白質)を覆っている。この白質の中に大脳核が島のように存在している。

 大脳皮質は新皮質古皮質(旧皮質)にわけられ、新皮質は論理的思考など、高度な知能活動を行う。古皮質(旧皮質)は新皮質に覆われていて表面からは見えないが、本能、情動、記憶をつかさどり、大脳核とともに大脳辺縁系を形成している。

 

ポイント!

★大脳辺縁系
 情動脳とも呼ばれ、「間脳や脳梁を環状に取り囲み、これらの部分を縁取っている部位」という意味を持っている。個体の生命維持と種族保存に関わる重要な中枢であり、本能行動を制御、感情や欲求に深い関わりがある。
 嗅球、嗅索、扁桃体、海馬などが含まれる。
∴ 扁桃体
 外部からの刺激に対して反応し、快、不快、恐怖といった情動(原始的な感情)を引き起こす。
∴ 海馬
 短期記憶の中枢であり、体験や学習によって獲得した記憶を貯蔵しています。その後、大脳皮質に移る。つまり、古い記憶は大脳皮質に貯蔵されている。

 

○脳幹=大脳半球と脊髄をつなぐ部分である。
 ・間脳(視床と視床下部)
   視床・・・感覚情報を大脳皮質の中枢感覚野へ中継する役割がある。
   視床下部・・・自律神経の中枢。
          体温調節、摂食、水分摂取、性行動などの本能行動を調節する。
 ・下垂体(ホルモン分泌の中枢)
 ・中脳で(視覚・聴覚情報の中枢)
 ・橋(大脳と小脳の中継)
 ・延髄(生命維持ー心拍、血圧、呼吸、咳、くしゃみなど)


○小脳=身体のバランスを保つ。

 

【嗅覚のメカニズム】


 脳は、脳幹、小脳、大脳と外側にいくように発達してきた。つまり、奥へいくほど古い脳なのである


 脳の仕組みを見てもわかるように、人間の脳は大脳皮質が発達しており、そのうち「考える」という働きをするのは大脳新皮質。視覚や聴覚などの刺激を受けるのもこの新皮質だが、嗅覚刺激だけは大脳辺縁系に直接伝わる。これは、他の感覚に比べて嗅覚が原始的な感覚であり、人間の感覚の中でも特殊な感覚であるため、他の感覚とは違った伝達経路になっているためである。


 においを嗅いだときに、まず「何の臭いか」と考える前に「好き・嫌い」や「快・不快」といった感情を引き起こすのはそのため。
・視覚、聴覚など・・・刺激→大脳新皮質で認識→大脳辺縁系→身体調節
・嗅覚・・・刺激→大脳辺縁系→身体調節→大脳新皮質で認識

 

【血液循環による経路】


 精油は嗅覚の他に、血液によっても体の中に取り入れられる。

 

1 呼吸器から

 呼吸の際に吸い込んだ精油成分の一部は気道の粘膜から血管に入る。気道とは、口や鼻から吸った息が肺に到達するまでの空気の通り道のこと。
 さらに、肺に到達した精油成分は、肺の一番奥にある肺胞(酸素と二酸化炭素を交換する組織の薄い膜)を透過して血管に入る。
 精油によっては局所的に気管支や肺に作用し、咳を鎮めたり痰を除去する作用がある。


2 皮膚から
 皮膚は通常、簡単には物質を通過させませんが、精油は分子が小さいうえに親油性があるので、多重構造になった表皮を通過し、真皮にある末梢血管やリンパ管に到達する。
 
3 消化器から
 日本アロマ環境協会では、精油を飲んだり食品と一緒に摂取することは勧めていない。口から摂取する精油はそのすべてが吸収されることとなり、肝臓や腎臓に毒性を及ぼす可能性もあり、ホームケアでは勧めていないので注意が必要。