*アロマテラピーの健康学その2*

【運動と健康】

 

1 無酸素運動(アネロビクス)
 短距離走や重量挙げ、筋力トレーニングなど短時間で大きな力を発揮する運動のこと。筋肉内にある糖質(グリコーゲン)を消費して酸素を使わずにエネルギーを産生する。筋力の増強や基礎代謝をあげるのに役立つ。
 無酸素でグリコーゲンを分解すると乳酸が発生し、乳酸が筋肉内に蓄積すると筋肉が収縮できなくなるため(=筋肉の疲労)、運動能力が低下する。

2 有酸素運動(エアロビクス)
 酸素を取り入れながら長時間継続できる、ウォーキング、軽いジョギング、軽い水泳などの運動のこと。酸素を使ってグリコーゲン、脂肪、タンパク質を分解していくので乳酸が生じにくく、心肺機能を高め血液循環を促進する。また、エネルギー源として貯蔵された脂肪も利用するため、内臓脂肪が減少する。

3 生活習慣病
 高度成長期の頃から増加し始めた、日本人の三大死亡原因となる「加齢に伴う疾病」は以前「成人病」と呼ばれていたが、現在では「生活習慣病」と改められた。

 

(1)肥満
・内臓脂肪型肥満(上半身肥満、リンゴ型肥満)
 主に中年男性や閉経後の女性に多く、内臓の周りに脂肪がつく。
・皮下脂肪型肥満(下半身肥満、洋ナシ型肥満)
 主に女性に多く、皮膚の下の脂肪が多いタイプ。
⇒生活習慣病になりやすいのは内臓脂肪型! 


【BMI(Body Mass Index:体格指数)】
 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI
 ⇒25以上は肥満
 標準体重=身長(m)×身長(m)×22

【メタボリックシンドローム】
 高血圧脂質異常高血糖のうち、2つ以上を併せ持った状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という。放置すると生活習慣病に移行する可能性が高くなるので、適切な生活習慣を身につけることが必要。

(2)動脈硬化
 血管壁が堅くなるとともに厚くなり、血管壁にコレステロールなどの脂質が付着し石灰化した結果、血管の内腔が狭くなった状態をいう。
 血管が狭くなると血流が悪くなり、血栓(血の固まり)が出来やすくなる。その結果、血栓が出来たところから先に酸素や栄養分を運搬できなくなり、細胞が死んでしま、それが心筋梗塞や脳梗塞の原因となる。

(3)高血圧症
 血圧が高いと常時血管への負担が大きくなり、傷つきやすくなる。そのため血管壁が厚くなり、動脈硬化が進行します。高血圧症は自覚症状がないまま動脈硬化が進行するので「サイレントキラー」と呼ばれている。高血圧の90%は原因が特定できない本態性高血圧。 

 

(4)脂質異常症
 血液中の脂肪の量が異常な状態を脂質異常症という。

 

(5)糖尿病
 食事で糖分を取ると、血液中の血糖値が上がる。血糖値を上げる働きをするのはグルカゴンなどのホルモン、下げる働きをするのはインスリンであり、これらのホルモンによって血液中の血糖値は一定に保たれている。このバランスが崩れ、血糖値が高くなる病気が糖尿病。
◎1型糖尿病
 インスリンを作る細胞が壊れてインスリンが全く分泌されなくなる。生活習慣とは無関係。
2型糖尿病
 食べ過ぎや運動不足などで血糖値が高くなり、インスリンが分泌されなくなってしまったりする。生活習慣が主な原因で、日本人の95%はこの2型糖尿病。
 糖尿病を放置すると、網膜症、腎症、神経障害を引き起こすこともあり、これらを三大合併症という。

4 休養と睡眠
(1)レム睡眠(Rapid Eye Movement)
        急速 眼球 運動 です。
 つまり・・・身体は休息していますが、脳は活動している。そして、浅い眠りの状態なので、夢を見ることが多いのはこのノンレム睡眠。
 授業中の居眠りは、ノンレム睡眠ですよ。

(2)ノンレム睡眠(non-Rapid Eye Movement)
 こちらは身体、大脳ともに休息状態で深い眠り。呼吸や心拍数は減少して、血圧・体温も低下している。

(3)サーカディアンリズム
 概日リズムともいう。人間は約24時間という地球の自転にあわせた身体のリズムを持っており、昼間は活動し、夜休息するという明暗周期にあわせて生きている。一定時間眠ったら自然に目が覚めるようになっており、これが乱れた時に起こる症状としては、「時差ぼけ」がよく知られている。

5 女性の健康
(1)女性ホルモン
 女性ホルモンとは、卵胞ホルモン(エストロゲン)黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つあり、女性が女性らしい体つきになるのはエストロゲンの働きによるもので、10代で分泌量が増え始め、妊娠に適した20〜30代になるとピークになる。その後減少し始め、個人差はありますが40代後半〜50代前半にかけて更年期を迎える。


(2)ホルモン減少と生活習慣病
 40代後半になると、卵巣機能の衰えからホルモン分泌量が徐々に減っていき、月経が次第に遠ざかる更年期を迎える。めまい、頭痛、動機、肩こり、のぼせ、イライラするなど、様々な不快症状が現れる場合もある。生活に支障を来すほどの不調に陥る人がいる反面、ほとんど気にならない人もいるので、症状の感じ方は個人差が大きいといえる。
 エストロゲンの分泌量が低下するとともに、骨粗鬆症や動脈硬化、脂質異常症が起きやすくなる。これは、更年期障害が直接的に生活習慣病の原因になるというよりは、更年期障害が始まる時期と生活習慣病になりやすい時期が重なっていること、また、更年期障害によるホルモンバランスの崩れや自律神経失調症などにより生活習慣病にかかりやすくなっているので注意が必要、ということ。 

6 ストレス
 ストレスの元となるもの(ストレス源)をストレッサーといいますが、仕事の忙しさや人間関係などがストレッサーとなりえる。このストレッサーによって心身に負荷がかかった状態、緊張を生じた状態を「ストレス」という。
 ストレッサーによって生じた外部刺激を大脳皮質が受け取ると、大脳辺縁系ではそれを恐怖や不安と感じ、視床下部へ伝わる。そして自律神経系、内分泌系、免疫系など、身体全体に様々な影響を及ぼす。
 ストレスは誰にでもあるもので、適度なものであればそれを克服することで自分自身の成長の糧となるが、度が過ぎると、心身ともに疲れ果て、心身症やうつ病を引き起こすこともある。