*アロマテラピーの基材*

 精油を安全に使うためには薄めて使うことが必要です。薄めて使うための材料を「基材」といいます。

 

【植物油】
 キャリアオイル、ベースオイルともいい、「キャリア」=運ぶものという意味です。精油は親油性があるのでトリートメントに使う際は植物油に希釈して使用します。
 植物は酸化しやすいので、保管には注意します。
・直射日光の当たる場所には置かない
・湿度の高い場所には置かない
・キャップをしっかりと締めて密閉し、早めに使い切る

★パッチテスト
 精油だけでなく、植物油も肌に合わない場合があるので、 肌に使う際には必ずパッチテストが必要です。希釈濃度に従ったトリートメントオイルを前腕部の内側に適量塗り、24〜48時間放置します。赤身、かゆみ、炎症などが起きないか確認します。異常があった場合には、その時点で大量の水で洗い流します。

オイル 科名 成分 特徴
スイートアーモンド油 バラ科 無色〜淡黄色 オレイン酸、
リノール酸
アーモンドの種子から取れる、匂いはほとんどなし
オリーブ油 モクセイ科 淡黄色〜淡緑黄色 オレイン酸
リノール酸
オリーブの果実から取れる
マカデミアナッツ油 ヤマモガシ科 淡黄色 オレイン酸、
パルミトレイン酸(約20%)
マカデミアナッツの種子から取れる。皮脂の構成に近い
ホホバ油 ツゲ科 無色〜黄色 ホホバの種子から取れる、液体ワックス(ロウ)、低温で固まる
植物性スクワラン 無色 炭化水素を還元して得られる飽和炭化水素(油脂ではない)

 

【その他基材】
1 精製水
 不純物のない、純度の高い水。水道水には塩素などが含まれているので、アロマテラピーではあまり使用しません。


2 芳香蒸留水
 フローラルウォーターともいう。水蒸気蒸留法により精油を製造する時に得られる水。水溶性の芳香成分が溶け込んでいる。クレイパックに使ったり、そのまま化粧水として利用します。


3 アルコール(エタノール)
 無水エタノール、消毒用エタノール、ウォッカなど。エタノールは薬局で買うことが出来ます。精油を溶かす他、容器の洗浄、消毒などにも使います。精油はアルコールに溶けるので、アルコールと混ぜてよく溶かしてから水を加えてローションなどを作ります。その際、白濁するものもあります。


4 ミツロウ
 蜜蜂が巣を作る時に分泌するワックス。ロウに分類されるので油脂ではありません。古代エジプトでも利用されていたという記録があるほど歴史の古いもので、アロマテラピーでは軟膏やクリームを作るのに利用します。

 

5 クレイ
 鉱物を主成分とする粘土でカオリン、モンモリロナイトなどがあります。吸収・吸着・洗浄作用がありパック材などに使います。


6 グリセリン
 脂肪や油脂から取れる、無色透明の液体で保湿作用があります。化粧水などを作る時に使います。


7 塩、重曹(炭酸水素ナトリウム)、クエン酸
 天然塩(海塩、岩塩)にはミネラルが含まれていて発汗作用があり、体内の毒素を排出します。重曹は皮膚の柔軟・洗浄作用があり皮膚を滑らかにします。
 重曹+クエン酸=発泡バスソルトが作れます。


8 蜂蜜
 保湿、皮膚の炎症を鎮めるので、入浴剤やパックの基材として使います。