2024.2.11 更新
ローズマリーはケモタイプ精油です。
ケモタイプ精油とは、植物が育った土壌、気候、風土などによって、同じ学名の植物から採れた精油であっても成分の組成が大きく異なる精油のことです。
英語では、「Chemotypes」と表記します。
この3つが、主なローズマリーです。
上記の3つのローズマリーは科名も学名も全て同じです。
ちなみに「ケモタイプ」という名称は、プラナロムの精油の正規代理店である株式会社健草医学舎の登録商標です。
ですので、他の精油ブランドでは、「ローズマリー・シネオール」などタイプの名前で販売しています。
それぞれの香りの何が違うのか、成分の比率を見てみましょう。
ローズマリー・シネオール
(参照:https://www.pranarom.co.jp/archives/oil/p-160/)
ローズマリー・カンファー
(参照:https://www.pranarom.co.jp/archives/oil/p-162/)
ローズマリー・ベルベノン
(参照:https://www.pranarom.co.jp/archives/oil/p-161/)
同じ植物から採れたとは思えない、成分の違いです。
これだけ組成が違うと、当然香りも効能も違ってくるのです。
ローズマリー・シネオールは、1.8-シネオールという成分が多く含まれています。
抗カタル作用があり、呼吸器系の不調に良いので、風邪の引き始めなどに重宝する精油です。
しみわたるようなすっきりとしたクリアな香りが特徴で、気持ちをリフレッシュさせたいときには最適です。
ローズマリー・シネオールについては「ローズマリー・シネオールの効能、使い方」でも詳しく解説しています。
ローズマリー・カンファーは、カンファーが多く含まれているため、ややクセのある樟脳の香りがします。
樟脳とはクスノキから採られる香りの成分で、防虫剤に使われることもあります。
消臭作用もあり、この香りがお好きな方にとってはリラックス作用も感じられるでしょう。
ローズマリー・カンファーは認知症の研究でも期待が集まっており、レモンとのブレンドが脳に良いとされています。
”アルツハイマー病を含む認知症患者へのアロマ方向効果を検証した結果、アロマの芳香をするとTDASスコア(タッチパネル式認知症評価兵法の点数)が優位に改善された。その際、交感神経を活発化する用途として芳香に用いたのが、ローズマリー・カンファーとレモンのブレンドである。
「精油芳香の学習への影響とERPによる検証」
(引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjske/13/1/13_45/_pdf/-char/ja "
鳥取大学の「アルツハイマー病患者におけるアロマセラピーの効果の検討 」という研究でも、精油の有効性が確認されています。
”28日間のアロマセラピー期間中は,9 時~11 時にローズマリー & レモン (ローズマリー2 滴 :レモン 1滴),19 時半~21時半にラベンダー & オレンジ(ラベンダー2滴 :オレンジ 1 滴)の香りをディフューザーで散布した.スポイ トで計量して(1滴は約 0.02ml),エッセンシャ ルオイルをフィルターに滴下し,そのフィル ターを電池で動く送風機を備えたディフュー ザーにセットした〜中略〜これらより,ア ロマセラピーは AD 患者の知的機能に効果が あり,特に最も効果があったのが軽度~中等度 AD であったといえる.
このような実験結果が公表されると、一時期ローズマリー・カンファーが品切れになるという現象もありました。
ローズマリー・カンファーについては「ローズマリー・カンファーの効能、使い方」でも詳しく解説しています。
ローズマリー・ベルベノンは、その名の通り、ベルベノンという成分が多く含まれています。
主成分はα-ピネンなので、樹木ようなすっきりとした香りが特徴です。
抗炎症があるので、肌荒れや頭皮のケアに良いとされています。
ローズマリー・ベルベノンについては「ローズマリー・ベルベノンの効能、使い方」でも詳しく解説しています。
精油を購入する際は、学名をきちんと確認することはとても大切なことです。
しかしケモタイプ精油は、学名がみな同じであるため、学名だけでは自分が必要としている精油かどうか、判別できないことがあります。
学名はもちろん確認するとともに、精油の成分もよく見て、どのタイプのローズマリーかきちんと確認してから購入しましょう。